目次次へChap.1 リレーと押ボタンスイッチ

(2019/04/22
趣味のラダー(本編)に「ラダー図」の呼称について誤った説明がありました。
お詫びするとともに、次の通り訂正いたします。
【訂正内容】
図Aは左右どちらもコイルのa接点記号ですが、左の記号はリレー回路(電気回路)を表現するシーケンス図で使用し、右の記号は制御ロジックを表現するラダー図で使用します。

   
    図A シーケンス図のa接点記号(左)と、ラダー図のa接点記号(右)
「趣味のラダー(本編)」では、図Bを「ラダー図」と呼んでいましたが、リレーのa接点(R1)に図Aの左の記号を使用しているため、正しくは「シーケンス図」と呼びま
す。



    図B シーケンス図の
本Chap.以降の該当箇所は「シーケンス図」の呼称に訂正しました。
なお、「ラダー図」は「
制御ロジックを表現する図」であり、
リレー回路の制御ロジックを表現することにも使用することに変わりはありません。)


この章では、ラダーを構成する基本的な部品であるリレーと押ボタンスイッチについて説明します。

1.1 リレーとは
リレーとは、おおまかに言えば、鉄の棒にエナメル線を巻いた電磁石と、この電磁石によってひきつけられる鉄片が1つのケースに入った部品です。
通常、電磁石のことをコイル、鉄片のことを接点と呼んでいます。
コイルの両端と、接点の両端はケースから端子として出ています。したがって、リレーには最低4つの端子が出ていることになります。

リレーのコイルに電流を流さないとき、接点はバネの力で離れているため、導通がありません。
試しに、テスターで接点の両端の抵抗を測定すると針は振れません。
つまり、接点はリレーの内部で離れた状態になっています。
リレーのコイルに電流を流したときは、磁力がバネの力にうち勝ってリレーの内部で接点がくっつき導通状態になります。
このときテスターで接点の両端の抵抗を測定すると針が振れます。

このように、リレーは「コイルに電流を流したとき、接点が導通状態になる電気部品」とみなすことができます。
なお、同じ構造の部品でも、大電流を開閉することが目的の場合は、電磁接触器や電磁開閉器と呼んでいます。
図1.1にリレーの接点とコイルの記号を示します。

図1.1 リレーの接点とコイル

1.2 リレーの電源
リレーのコイルには電流を流さなければいけませんので、電源が必要ですが直流電源でも交流電源でもかまいません。
交流電源でもちゃんと電磁石になります。
一般に、工場ではモータを使用するために3相200Vの交流電源があります。
このため、ここで使われる制御盤にもこの電源を供給することがよくあります。
リレーの電源には、このうちの2相を単相の交流電源として使うか、スイッチング電源で直流(24Vや5Vなど)に変換して使います。
もちろん個々のリレーには、部品としての定格があるため、この範囲内で使用するのは、いうまでもありません。

1.3 リレーのa接点とb接点
いままで説明してきたリレーは、コイルに電流を流したとき、接点が導通状態になりました。
このような接点をa接点と呼びます。
これとは逆に、コイルに電流を流したとき、接点が非導通状態になる接点をb接点と呼びます。
b接点は、コイルに電流を流さないとき、接点が導通状態になっています。
リレーのa接点とb接点は、ラダー図シーケンス図上では図1.2のように書きます。

図1.2 リレーのa接点とb接点

1.4 押ボタンスイッチのa接点とb接点
押ボタンスイッチにもa接点とb接点があります。
押すと導通になる接点をa接点、押すと非導通になる接点をb接点と呼びます。
押ボタンスイッチのa接点とb接点は、ラダー図シーケンス図上では図1.3のように書きます。

図1.3 押ボタンスイッチのa接点とb接点

リレーも押ボタンスイッチも、1つの部品の中に複数の接点が入っていることもあります。
また、、1つの部品の中にa接点とb接点の両方が入っていることもあります。

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